溺愛ENMA様
※※※※※

「もう卒業だな」

「涼馬。やっと解放されたの?」

あれから三ヶ月後、私達は無事に卒業することとなった。

卒業式の後、別れを惜しみながら皆で写真を撮り、後輩達に囲まれて再び涙にくれる。

それらからやっと解放されて、亜子ちゃん達を待ちながら中庭にいた私に、涼馬が歩み寄ってきたのだ。

相変わらず涼馬は女子達に大人気で、なかなか解放してもらえなかったみたい。

私はそんな涼馬を見て吹き出してしまった。

「涼馬、ネクタイもないし、シャツのボタンも全部ないじゃん!どーすんのよ、これからみんなでご飯食べに行く約束でしょ?」

私がそう言って見上げると、涼馬は悪戯っぽく笑った。
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