溺愛ENMA様
「なあ、ルナ。お前も円真を忘れてないんだろ?!」

「……うん」

私が頷くと、涼馬は私の頭に手をやり、グシャリと撫でた。

「ごめんなっ……俺がもっと早く切り出してればお前は一人で苦しまずにすんだのに……アイツがいなくなってみるみるやつれていくお前に、俺は何も言ってやれなくて」

私は涼馬を見て少し笑った。

「私こそごめん。気付いてあげられなくて。私以外に閻魔を覚えているなんて、考えもつかなくて」

「なあ、ルナ。俺達はもう卒業だけど、大学近いし、これからも定期的に会わないか?俺、円真を親友だと思ってたんだ。心からアイツを好きだったんだ。なのに、アイツの話を出来ないなんて耐えられない」

私は、泣きながらそう話す涼馬の手を握りながら、しっかりと頷いた。

「うん、そうだね涼馬。時々あって閻魔の話をしようね」

青く澄んだ空を見つめながら、私と涼馬はしばらく二人だけで閻魔に想いを馳せていた。
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