溺愛ENMA様
そしたら、全てからお前を守ってやるから。

だがルナは、頑なに俺を拒んだ。

何度かの押し問答の末、

『私を思うなら、もう諦めて帰って。これ以上苦しめないで』

ルナのその言葉を聞いたとき、アイツとの温度差を思い知らされた。

ルナは、今の俺ではダメなんだ。

生活環境も、老いる早さも違う俺と一緒にいるのは、アイツの中で恐怖でしかないのだ。

俺が全ての負からアイツを守ると心に決めていたのに、俺自体がアイツにとって『負』だとは。

なら……それなら……去るしかない。

アイツを苦しめたくない、愛してるから。

……俺が悪いんだ。

アイツを……ルナを安心させてやれない俺が悪いんだ。

なら、去るべきだ。

俺は人間界から去る決心を固めて、ルナの前から消えた。
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