溺愛ENMA様
「感謝してよね!私の大切なイトコ、あんたに紹介したんだから!」

そう。

あれから朱里は徐々に快方に向かい、現在は司法試験に向けて猛勉強中だ。

涼馬はそんな朱里を陰ながら支え、二人とも仲睦まじくやっている。

私は……私は……。

「なあ、ルナ」

涼馬の瞳の中で、心配そうな光が揺れる。

「俺はお前が心配なんだよ」

ああ、涼馬はいつの間にこんなにイイ男になったんだろう。

いや確かに、高校生の時からイイ男には違いなかった。

今はそれに加えて落ち着きが出てきて、頼りがいがある。
< 301 / 328 >

この作品をシェア

pagetop