溺愛ENMA様
たまに音楽番組をつけては、皆でカラオケに行くからって新しい歌を覚えていたっけ……。
狭いリビングにペタンと座り、小さなローテーブルに手を伸ばすと、私はリモコンの電源ボタンを押した。
すぐ暗闇に青い光が浮き上がり、聴き馴れたメロディが耳に届く。
《His voice 忘れない His voice 切なくて His voice あの日から His voice 愛してる》
閻魔の声は……。
そう、低くて、落ち着いていて。
『ルナ』って呼ぶ声が柔らかくて優しくて……。
声が聞きたい。
閻魔の声が、聞きたい。
「閻魔……」
ポトリポトリと落ちた涙がラグに吸い込まれて、まるで何も無いかのように沈んで消えた。
狭いリビングにペタンと座り、小さなローテーブルに手を伸ばすと、私はリモコンの電源ボタンを押した。
すぐ暗闇に青い光が浮き上がり、聴き馴れたメロディが耳に届く。
《His voice 忘れない His voice 切なくて His voice あの日から His voice 愛してる》
閻魔の声は……。
そう、低くて、落ち着いていて。
『ルナ』って呼ぶ声が柔らかくて優しくて……。
声が聞きたい。
閻魔の声が、聞きたい。
「閻魔……」
ポトリポトリと落ちた涙がラグに吸い込まれて、まるで何も無いかのように沈んで消えた。