溺愛ENMA様
それがまるで私と閻魔のように思えて苦しい。

「閻魔……大好き。あなたじゃないとダメなの。閻魔、会いたい」

「嬉しいぜ、お前がまだ俺に惚れてるなんて」

……だめだ、私……。

マジで重症だ、幻聴が聞こえるなんて……!

飲み過ぎちゃったのかも知れないけど、それもよかったかもしれない。

だって、閻魔の声が聞きたかったから。

私は涙を拭くと、照明のリモコンに手を伸ばしてリビングの電気をつけた。

どうせなら、声だけじゃなくて顔が見たい。

幻覚でもなんでもいい。

閻魔なら、いい。

「ルナ」
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