溺愛ENMA様
アッと思ったのは一瞬で、逞しい腕が私の身体をフワリと抱く。

息が、出来ない。

「ルナ、会いたかったぜ」

後ろから私の髪に顔を埋め、唇を寄せる仕草に身が震えた。

熱い身体と、懐かしい香りが私を堪らなくする。

「え、んま……?」

喉がカラカラで痛かったけど、何か言わなきゃダメだと思った。

「閻魔、なの」

「ああ、俺だ」

「な、んで」

照明のリモコンが手から滑り落ちて、コン、とラグの上に落ちる。

「ルナを愛しに来た」
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