溺愛ENMA様
「嘘……」

閻魔が精悍な頬を傾けて、照れたように笑った。

「嘘じゃない」

「閻魔どうして……?どうして、ここに?」

「俺はお前に惚れてるから」

向き直った私に、閻魔がニッコリと笑った。

「だって三年前……会いに行ったら閻魔はっ……」

「あー……それは……」

閻魔が天井を見て視線を泳がせた。

「あん時はその……修行中だったんだ。だからお前の気持ちには応えられなかった」

「しゅ、修行?」

「そ」

「なんの?」
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