溺愛ENMA様
その時仁が閻魔を見上げて叫んだ。

「おい、閻魔っ。術使えねぇお前なんか俺は怖くねぇんだぜ?!ルナは俺の可愛い宝物なんだ。お前よりもずっと前から仲良しだしな!歴史が違うんだよ!」

……仲良しって……幼稚園児か。

「ちょっと、仁も閻魔も」

そこまで言った私の言葉を、閻魔の怒鳴り声がアッサリとかき消す。

「なんだとテメェ、もう一度言ってみろっ!」

怒りに満ちた閻魔が、仁に詰め寄る。

……ああ、もう……。

私はハアと溜め息をついた後、仁の腕を掴んだ。

「……仁」

「ん?」
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