溺愛ENMA様
「よう、また会ったな」

その笑顔が凄く逞しくて、この世界を何でも分かってるみたいで、私は彼を眩しく思った。

「泣いてんのか」

……泣けるよ。

泣けてくるよ。

朱里を助けようと自分から乗り込んだクセに、怖くて、情けなくて。

どうしたらイイかまるで分かんない。

「どっか怪我したのか」

無意識に私は首を横に振った。

「言ってみろ。どうした?」

いささかつり上がり気味の眼が優しく私を見つめていて、私は無性に彼を頼りたくなって口を開いた。

「あなた、誰……?私は、中西ルナ。なんで私が死んでないって分かったの?
それと……あの私、現世から人を探しにきたの。お願い、助けてもらえませんか?!」
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