溺愛ENMA様
憤りを隠せず、グッと眉を寄せた私に、閻魔は顔を近づけてバカにしたように笑った。

「お前はバカか?親より先に死ぬ奴は、全員親不孝なんだよ」

そ、んな……!

愕然とする私の前でまたしても酒を煽ると、閻魔は勢いをつけて立ち上がった。

「……酒がもうなくなる。その辺の小鬼でもひっ捕まえて」

部屋から出ようとした閻魔の服を、私は咄嗟に掴んだ。

「待って!!朱里はまだ死んでない!!お願いだから、助けてっ!」

「はー?どっちだよ。三途の川を見たなら死んでるって事だ。生きてる人間は三途の川まで辿り着いたりしねぇんだよ。お前、そんな事も知らないでこんなとこまで来たのかよ」

えっ!!マジ?!

「三途の川まで来ても、渡ってないなら、死んでないんじゃないの?!」
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