溺愛ENMA様
焦る私を至近距離から見つめて、閻魔は口を開いた。

「人は死ぬと『死出の山』、子供なら『 賽(さい)の河原 』それから『三途の川』を渡るんだ」

……じゃあなに!?私、間違ってるの?!

だって朱里が言ってたもん。

『皆は上手く出来て、あっちに行けてるのに、私はどうしても上手く出来ないの』

あれは、三途の川を渡る時の話じゃないの?!

スーッと全身の血がどこかに引いていってしまったような感覚に、私は目眩を感じた。

そんな私を見て、閻魔はフウッと笑いながら酒に口をつけた。

「こんなところまで来て、ご苦労なことだな。だが、この」

「じゃあ、朱里は何処にいるの?!」
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