溺愛ENMA様
閻魔にも張り手しちゃった事だし、こうなりゃこの女にも一言言ってやる!

私は大きく息を吐き出すと、侮蔑の表情で蘭を見つめ、彼女に言い放った。

「……確かに私は生き人よ。あなたにとったらつまらない存在かも知れないけど、私に言わせりゃあなたの方が私の千倍つまらないわよ」

蘭の眼が、みるみる怒りでつり上がった。

「なんと……!誰に向かって口を利いている!」

そんなの知らないわよっ!

私は彼女の整った顔を見つめると、再び口を開いた。

「あなたが誰かなんて一ミリも興味ないわ。でもね、いくら綺麗で魅力的でも男に見境なくて節操のない女なんて、同性として情けないし恥だわ。あなたの心に真実の愛はないの?!
自分を粗末にしてるってなんで気づかないの?!本当に好きになった人じゃないと、そんなのダメじゃん!いつか心が痛くなるよ」
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