溺愛ENMA様
胸がドキドキして息が苦しい。

私は深呼吸をすると、ソロリと閻魔帳を開いた。

………なにこれ……!

部屋が暗くてはっきりと分からない。

びっしりと何やら書いてあるけど……きったない字だな!

暗いのを差し引いても、字が汚すぎてまるで読めんわっ!

朱里のページを探し出して、そこだけ破って持って帰ろうとしたものの、膨大な字数に圧倒されて私は唇を噛んだ。

「ルナ」

途方にくれる私の脳内に、仁の声が聞こえた。

「おい、時間だぜ。早く来い」

「待って、仁」

「バカ、待てるか!ここから出られなくなるぜ?!早くしろっ」
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