溺愛ENMA様
それは困るっ!

「朱里の居所がまだ分かんないの」

「ルナ、これ以上はダメだ」

その時、閻魔の楽しげに笑う声が聞こえてきた。

「蘭、酒を注げ!今夜の相手はお前に決めてやる」

「本当でございますか?!蘭は嬉しゅうございますぅ」

……アホめ。

あんな男の一体どこがいいんだ。

私は閻魔と蘭の脳天気なはしゃぎ声を聞きつつ、内心舌打ちした。

それからシゲシゲと閻魔帳を眺めて思った。

……こんな大切な物をほったらかしにするなんて、アイツ、バカなんじゃないの?
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