溺愛ENMA様
それともこれはフェイクとか。

「ルナ、マジで急げ!」

「わ、分かった」

その時、一際大きく閻魔と蘭の笑い声が響いた。

何が閻魔大王よ、ただのタラシ男じゃないの!

ええい、これごと持って帰ってやる。

朱里、待ってて。

私が絶対に助けるから!

私は意を決して唇を引き結ぶと、閻魔帳を両腕にしっかりと抱いた。

それから、徐々に見え始めた道を、光の方へと駆け出して、現世へと急いだ。
< 61 / 328 >

この作品をシェア

pagetop