溺愛ENMA様
「もう一回してやってもいいぜ、閻魔帳を返したらな」

ドキッとしたのは閻魔のキスのせいか、閻魔帳のせいなのか。

熱い顔をどうする事も出来ずに硬直した私に、閻魔はクスリと笑った。

「じゃあまたな、ルナ」

またな、じゃねーよっ!もう来るなっ!

くそっ、ムカつく。

閻魔にも、ドキドキした自分にも。

「絶対、諦めないんだから」

私は大きく息をつくと、机の引き出しを開けて閻魔帳に視線を落とした。
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