溺愛ENMA様
は、はあー??

ちょっと先生、そんな事あるわけないでしょ、しっかりしろっ!

私は思わず椅子を鳴らして立ち上がってしまったけれど、先生は全くの素で、黒板に『石川円真』と書いた後、

「さ、石川君挨拶して」

なんで閻魔が?!って思ったのはほんの一瞬で、彼が閻魔帳を取り返すために現世に居座ろうとしているのが、すぐに分かった。

どうしよう、どうしよう!

その時、再び亜子ちゃんが私を振り返り、押し殺した声を出した。

「サプラーイズ、サプラーイズ」

怖い。亜子ちゃんの眼が怖い。

「いや、あのね亜子ちゃん!」
< 71 / 328 >

この作品をシェア

pagetop