溺愛ENMA様
「お前、俺が心配なのか?」

はあっ?!

長身を屈め、閻魔は黒に近い濃い紫の瞳で、私を正面から捉える。

次第に心臓が激しく脈打ち、私は咄嗟に胸に手を当てた。

掌に、ドクンドクンと鼓動を感じる。

……なんでこんなにドキドキすんのっ。

私は閻魔から眼をそらしてツンとそっぽを向いた。

「そんなわけないじゃん!」

「ふーん」

閻魔はニヤニヤと笑った。

私はそれを忌々しく思いながら、再び閻魔を見上げた。

「あんた、どんなセコい技使ったわけ?何が転校生よ」
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