無理な影武者
序章
1
私は今すごく
悩んでいた。
♪1993恋をした〜
Oh〜君に夢中〜
せっかくの休日にネットカフェでまずい抹茶オ・レを飲みながらR35のCDを聞くくらい悩んでいた。
来たこともない場所に行き、リラックスすれば悩みが解消すると思ったが・・・
無理である。
私は個室を出てCDを戻しに出た。
「ね〜この曲凄い良かったよ〜!結婚式で流そ〜」
あ、なかなか可愛い女性・・・。
「なんて曲?」
横にいるまぁまぁの男性は女性の腰に手をやる。
「なんかぁ1993なんちゃらとか言ってる〜」
「あぁあれな。って馬鹿、まだ結婚なんてはやぇよ〜」
「だって〜」
「すいませんどけてもらえませんか。」
彼氏に腕を絡ませベタベタする女性は、私を汚いものを見るような目で「すみません」と言い放った。
可愛い気のない、私の懐を見ればその華奢な腕は私の体に絡みつくぞ!
と、言いたいのだが・・・
私はそのことについて悩んでたんだなぁ。
「はぁ・・・」
今年で32歳。医療の現場に携わり何不自由のない生活をしている。
もちろん夜も。
・・・だが
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」
「?」
「何してんのオッサン!ちょっ、拭くもの!!!」