激変!?溺愛注意報

1人が携帯を指差しながらそう言うもんだからわたしも自然に近寄ってしまって携帯を覗き込もうとした瞬間。

「っ!」

わたしの肩に男の人の腕が回されぎゅっと引き寄せられる。

「え、あの…?」

『だめだよ〜?簡単に知らない男信じたりしたら♪』

男の人は肩を組んだまま細い路地に向かって進んでいく。

さすがのわたしもこれはちょっとやばいんじゃないかとようやく理解する。


「あの、離してくださ、」


離してと男の人に訴えても『ん〜?』と全然離してもらえない。


どうしよう

どうしよう


人間はひどく焦ると涙が出てくるらしい、ということをわたしはこの時初めて知った。


「や、だぁ…」

『あれ、泣いちゃった。かーわいいね〜』



誰か…!



涙が頬を伝ったその時。


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