激変!?溺愛注意報
「早くそいつ離せよ」
男の人の拳を握りしめながらわたしを押さえているほうの男の人を見やる。
『くっ!くそ、行くぞ!』
すると怖気づいたのか男の人たちは揃ってバタバタと去っていった。
助かった…
助けてくれた…
安心した途端に視界がぼやけてきて意識が遠くなる。
お兄さんが「おいっ」とわたしのほうに駆けてくるのを最後に意識が途切れた─────
次に目を覚ますと見慣れた自分のベッドで寝ていて。
………あれ?
わたし、いつの間にベッドに…?
頭をフル回転させる。
「あ、葵!起きたのね」
「お母さん!」
ちょうどよかった!
「お母さん、わたしなんで、」
最後まで言わずともわたしが聞きたいことが分かったのかお母さんは、
「葵、塾の帰りに気を失ったのよ」
と教えてくれた。