激変!?溺愛注意報

そうだ、塾から帰ってて…

「気を失った…?」

「そう。あなた、男の人に連れていかれそうになったんでしょ?」

物騒な世の中だわ、と眉間に皺を寄せるお母さん。


「あ、お兄さん…」

助けてくれたお兄さんは?

「もしかしてそのお兄さんってあのイケメンさんのこと?」

「イケメンさん?」

泣いてたから視界はぼやけてたし夜だから顔もはっきりとは見えなかった。

覚えているのは凛としている声と大人っぽかったなってこと。

「そのイケメンさんがね、帰り道のこと説明してくれて『送り届けるためとはいえ、勝手にカバンの中の手帳見てしまってすいませんでした。』って葵をお姫様抱っこして送ってくれたのよ〜♪」

「え……えええぇ!?」

わざわざ送ってくれたの!?
いや、確かに放って置かれてもそれはそれで困るけど。

しかも、お姫様抱っこ?
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