イクメン作家と恋心?SS~ほのぼの第2話~12/26に『クリスマス』を追加。
「あい。」
ニコニコしながら手を伸ばしてきた。
えっ?抱っこしろと……?
あ、まさか。
仕事の意味を分かっていないのかしら!?
散歩に行く感覚で返事をしたのだろうか。
だから一緒に連れて行ってもらえると
思い込んでいるのかも。
「あのね……卯月。
卯月は、連れていけないの。
お昼までママとバイバイね」
手を振ってみせた。
「バイバイ……?」
意味が分からない卯月は、きょとんとする。
あ、やっぱり意味が分かってない。
ニコッと笑うとバイバイしながら
リビングのドアを閉めてみる。
その瞬間だった。
やっと意味を理解したのか
「うぎゃああっ~!!」と閉めたドアを
バンバンと叩き出した。
私でも泣いて寂しがってくれるのは嬉しい。
嬉しいのだが……泣き声が凄かった。
知らない人が聞いたら何事だ!?と驚かれるほどの
ギャン泣きだった。
「卯月……泣かないで。
お昼には、様子を帰って来るからね」
ドアを閉めた状態で声をかけた。
だが、
「まんま~ギャアアッ~!!」
さらにドアをバンバンと叩いてきた。
ドアは、外から見えない造りの
ガラス張りになってるのだが割れそうなぐらいに
力強く叩く卯月。
何だか可哀想になってきた。