妖狐の花嫁
謎の転校生
『---くん、いなくなっちゃヤダぁ…!』
───小さい頃。
よく迷子になる私が
いつも行き着く神社があった。
そこで知り合った男の子と
仲良くなったのを覚えてる。
『大丈夫だよ。
俺は…華ちゃんを1人になんてしない。』
『グスッ……本当に、本当…?』
でもその子とは
ある日突然、お別れすることになって
私はそこで
1人泣きじゃくった覚えがある。
『うん、本当だよ。
必ず───華ちゃんを迎えに行くから。』
『うぅっ……約束、だよ…?絶対…。』
そう言って
指切りをしながら、約束をした。
そこで
私はその男の子と
お別れをしたような気がするんだけど──
『うん、絶対────約束するよ。』
───その子、誰だったかなぁ。