妖狐の花嫁
──木嶋 華(きじま はな)。18歳。
今日から高校3年生の受験生。
でもまだ志望校も決めてないし
将来の夢も考えてません。
昔から華やかな高校生に憧れていて
自分も高校生になったら
たくさん思い出作ろう、なんて
そればっかりを考えていて
この2年間、遊んでばかり。
もちろん勉強も
そこそこ普通にやってはいるけど
将来を見据えて
コツコツ準備してきたわけじゃないので
安心、というわけにもいかず。
「華ぁ〜?ちゃんと起きてる?
今日始業式でしょー??」
「大丈夫〜、ちゃんと起きてるよ〜。」
誰もが通る
『辛い受験生活』を
これから通らなくてはいけません。
私は髪の毛を軽く梳かしてから
自分の部屋に戻って、制服に着替える。
中学はセーラー服だったから
憧れのブレザーが制服の学校を選んで
今の学校へ進学。
でも 入学した後から知ったけど
私の高校の男子は学ラン。
真っ黒で
昔と変わらないあのデザインの制服。
(ブレザーの男子憧れてたんだけどなぁ…)
雑誌に載ってる男子高校生モデルは
皆ブレザーだったから
入学して知った時は
少しだけ残念な気持ちだった。
まぁ、そんなこと今更言っても仕方ない。