妖狐の花嫁









「四神はお前ら2人だけやないやろ?」

「私たちも参加しますよ、仁。」







奴らは

真と俺をまっすぐ見ながら
楽しそうな笑みを浮かべた。








「白(はく)…それに楼(ろう)まで…。」

「残念やったなぁ、仁ちゃん?
お手柄はこの白様とも仲良く分け合いっ子や。」

「仕方ありませんから、鴉も手を貸しますよ。」








奴らはそう言うと

目を細めながら俺らのところへやってきて
口角を上げながら 俺らを見下ろす。







───白蛇の神 白(はく)と

鴉の神 楼(ろう)─────






奴らも俺らと同じ

四神…五大神の1人。





突然の登場に少し目を丸くしていると、

真が目を細めながら
静かに少しだけ 口角を上げた。








「…これで、全員が揃ったぞ。」








互いに向かい合うように座り

真の言葉に
俺たちは小さく口角を上げる。





───四神が、揃った。









「吟ちゃんの計画を阻止するなんて
そんな無謀なこと よぉ考えたでホンマ。」

「無謀がどうかは、やってみらければ分からない。」

「まぁなぁ?」








白は真とそんな会話をしながら
ゆるく口角を上げる。








───なるほど、そういうことか。






俺は真の思惑を察すると
自然と口角が上がるのを感じた。








───そうだ。








白蛇には結界が効かない上に


鴉は空を飛べる。







白が内側に入ってから結界を破れば

楼が華をすぐに外へ出せるじゃねぇの。









「……これなら何となく
いけそうな気がしてきたな。」

「何となくじゃなくて できるだろう。」

「俺らに任せときぃ、仁ちゃん真ちゃん。」










そしてそれから




4人の会議が-----始まった。









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