妖狐の花嫁






「わぁ、人いっぱい…。」






張り紙のある下駄箱付近は
人がたくさんいて


私たちは頑張ってその間をすり抜けて
3年のクラス発表を見に行く。







(木嶋、木嶋………あ!あった!!
咲と柚は……あ、見つけた!)







私は自分の名前を見つけた後
気になる友達のクラスも確認。


なんと

奇跡的に3人共同じクラス!







「咲!同じクラスだよ!柚も一緒!」

「やったー!!本当に?!」






私の言葉を聞いて
咲は飛び跳ねながら 私に抱きついてくる。


私も一緒に喜びながら
咲と階段を登って 新しいクラスへ向かう。






「……あ!華!咲!おはよー!」

「柚ぅ〜!!
やったよまた同じクラスだよ〜!!」







教室に到着するなり
先に学校に到着していた柚が

私たちを見つけて駆け寄ってくる。



咲はそんな柚に抱きついて
わいわいしながら喜んでいた。







「あ、そうだ!
ねぇ柚、転校生の話 華にもしてあげて!」






そして思い出したように
咲が私を見ながら柚にそう言う。


柚は「あぁ!」と声をあげて私を見た。







「一昨日くらいに部活のことで丸Tのところ行ったらね、超かっこいい他校の男の子がいたの!」







そう言って
柚が話し始める。



特徴は咲に話された通り
身長が高くて、黒髪で、イケメン。

それに追加して

その時の彼の印象について話された。







「すっごい大人っぽくて
落ち着いたオーラ?みたいなのあるの!」

「ふーん…大人っぽい雰囲気かぁ…。」








クールっぽい感じなのかな?と

柚の話を聞いて更にイメージを膨らませる。





そんな人が来たら
多分女子の皆が騒ぐだろうなぁ…。

しばらくはそれで話し持ちきりかも。





そんな風に思いながら

すでにキャーキャーとはしゃぐ咲や柚と
話していると、担任の先生が入ってきてホームルームが始まる。





< 9 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop