涙の流し方
その日の夜は、あまり寝れなかった。


一年生の時から毎日一緒だったのに、

空くん居なくて寂しい。




そして、その日もまた学校へ

そんなとき、学校でテストの時間になった。

僕は、勉強するの好きな方で殆ど100点

お母さんも喜んでくれるのが嬉しかった。


けど、最近は当たり前の様になってきて
褒めてくれない。

だから、今回は、悪い点数をとって、少しでも良い、心配して貰いたいから、テストを半分しか解かなかった。






そして、テストの返却日。


見事に 55点 


怒られるかも知れないけど、少しはどうしたのって優しく聞いてくれるはず――。



そして、家に帰り、お母さんを待った。


今日は、早めに帰ってきてくれる日だから、もう少しだと思うけど……。



「ただいま」


「お帰りなさい」



何か、少し機嫌悪い?



「何それ、テスト用紙」


「うん、でも、ちょっと、その」


「見せなさい」



テストを渡した。


タイミング悪かったかも。



「ねぇ」



思わずビクッとした。

怒ってるときの声だ。

顔見れない。



「こっち向きなさい」



恐る恐る、顔をあげると


パーン


と乾いた音と共に右頬に痛みが走った。



「どうしたら、こんな点数とれるの!
何で今日なの!いつもいつもタイミングが悪いのよ!イライラしてる時に限って!」


「ごめんない」


「謝るくらいなら最初からしないで」



叩かれて痛かったけど、


その時のお母さんの顔から、笑顔が消えたことの方がとても苦痛だった。



 その日の夜



僕なりに考えた

良い子で居なくちゃいけないんだ。


ちゃんと勉強が出来て、お手伝いもして、
お母さんに迷惑にならないように
あまり話さない様にすれば良いんだ。


僕は、きっとお母さんに甘えたかった

けど、それは、僕には許されない事

だから、お母さんは怒る。


それだったら、関わらない方が幸せになれるんだ。 



ベットの上で枕を抱えて、ぎゅっと力が入った。



僕は、もっともっと頑張らないといけないんだ。


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