この恋に砂糖は使用しておりません





絶対無視、無視する、無視。


翌日、あたしはいつも通り学校に行く準備を終え靴を履くと、鏡の前で自分と見つめ合うようにして頷いた。


「ちょっと何してるの愛海、大雅くん待たせるわよ」


鏡と見つめ合うあたしを不審に思った母親が、声をかけてくる。


そう、母親は何も知らない。


あたしが高校に入ってからずっと、大雅と少し距離をとって登下校していたことも。


あたしが昨日告白してあっさりフラれてしまったことも。


「はーい。行ってきまーす」

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