この恋に砂糖は使用しておりません


あたしは気の抜けた返事をして、家を出た。


無視だからね、あたし、無視。


そう、いつもこのドアを開けると、大雅が待っている。


そんな大雅を軽くあしらいながら、あたしは他の女の子に目をつけられないようにするため先にスタスタと学校に向かって、でも、大雅はあたしの後ろにわざと話しかけながらついてきて。


そんな大雅が、実は少し可愛くて、本当は少し、――愛しかった。


でも。


今日からもう完全に無視することに決めた。


おはようって言われても無視してやる。

< 105 / 130 >

この作品をシェア

pagetop