この恋に砂糖は使用しておりません
小さなセレクトショップの前を通りかかると、そのガラスに自分の姿が映った。
ふと立ち止まって、いつもと変わらないはずの、自分の姿を見つめる。
そこには、気づいたら大雅のことばかり、意識しなくても大雅のことばかり考えてしまうあたしが映っていた。
他のこと、考えなきゃ。
違うこと。
立ち止まった足を再び踏み出して、歩き出した瞬間に。
「おい!!」
後ろから勢いよく、腕を掴まれて。