この恋に砂糖は使用しておりません


体がそのまま、後ろに傾いた。


た、倒れる。


バランスを崩し、全身に冷や汗を感じたのもつかの間の出来事で。


「愛海!何やってんだよ危ねえだろ!」


それは、正真正銘、その声で。


「あ、」


顔を上げるとそこに、大雅の顔はあった。


腕を掴まれたまま勢いよく引き寄せられたせいで、あたしは背中から大雅の胸に倒れこむ形になっていて。

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