この恋に砂糖は使用しておりません


大雅はあたしの腕を離して、呆れるようにため息を吐いた。


いきなり現れて、いきなり助けられて。


そんなの、まるで、少女漫画のヒーローみたいじゃん。


格好良くて、頼もしくて、――ずるくて。


「こうやって…こうやって今度は大雅が、あたしを守ってよ、」


振り返って、大雅を見上げた。


もちろんそんなことを言うつもりはなかった。


意識と裏腹に出る言葉は怖い。

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