この恋に砂糖は使用しておりません


しかし、その準備も必要なかったようで。


「呼んでるよ、大羽さんのこと」


「え?」


予想外の言葉に反応して、視線を動かす。


と、クラスの女の子たちも、“そっち”を見ていて。


“そっち”、教室の前のドア。


知らない、見たことのない、――“チャラそうなイケメン”が笑って、こっちを見ていた。


「え、あ、あたし、ですか」

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