この恋に砂糖は使用しておりません


あたしは微笑むと、大雅と一緒に家を出た。


どうして、大雅があたしを迎えに来るようになったのか。


それは至ってシンプルで、中学校に入学してすぐに大雅に言われた言葉が答えだった。


“今まで迎えに来てもらってたから、中学からは俺が迎えに行くよ”。


今までの大雅からはとても考えられない言葉で、それを聞いたときは思わずもう一度聞き返してしまったほど。


大雅がどうしてそんなことを言い出したかは、何度も考えたけど。


どう考えても答えを見いだせなくて、結局理由は分からないままだった。


最初は違和感でしかなかった、“大雅があたしを迎えに来る”という行動。

< 19 / 130 >

この作品をシェア

pagetop