この恋に砂糖は使用しておりません
あたしは微笑むと、大雅と一緒に家を出た。
どうして、大雅があたしを迎えに来るようになったのか。
それは至ってシンプルで、中学校に入学してすぐに大雅に言われた言葉が答えだった。
“今まで迎えに来てもらってたから、中学からは俺が迎えに行くよ”。
今までの大雅からはとても考えられない言葉で、それを聞いたときは思わずもう一度聞き返してしまったほど。
大雅がどうしてそんなことを言い出したかは、何度も考えたけど。
どう考えても答えを見いだせなくて、結局理由は分からないままだった。
最初は違和感でしかなかった、“大雅があたしを迎えに来る”という行動。