この恋に砂糖は使用しておりません


だけどその毎日を繰り返すうちに、それは理由のわからないままでありながらもあっという間に定着した。


――そしてあたしはこの後、すぐに新たな事実を知ることになる。




それは、中学生になって最初の夏休みのこと。


その日あたしと大雅は、図書館で勉強をする約束をしていた。


あたしも大雅も、特別勉強が得意というわけではなかったし、学力も同じくらいだったから、一緒に勉強をする相手にぴったりだった。


夏休みが終わればすぐに試験が待っている。


あたしたちはその試験に向けて、勉強を始めたわけであって。


決してこの“勉強会”が定期的に行われているわけではない。

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