この恋に砂糖は使用しておりません
あたしはお気に入りのトートバッグに教科書や問題集を詰め込みながら、大雅が鳴らす家のインターホンの音を待っていた。
学校に行くときだけではなく、学校以外で2人で出かけるときは、必ず迎えに来るようになった大雅。
やっぱり理由は分からないままだったけど、あたしはそれを少し嬉しく思っていた。
幼馴染。
あたしと大雅はいつまでも、このままでいられると。
この頃のあたしは、それを信じ続けていた。
「大雅遅いな…」
息抜きに食べようと思って用意したお菓子をトートバッグの中にしまい終わっても、大雅はまだやってこない。