この恋に砂糖は使用しておりません


いつもならあたしの準備の方が遅いくらいなんだけどな。


不思議に思ったあたしは、久しぶりに大雅を迎えに行ってみることにした。


トートバッグを持って、玄関まで歩く。


「お母さん、大雅と図書館行ってくるー」


「はーい、行ってらっしゃい」


母親の返事が聞こえたあたしは、お気に入りのサンダルを履き、家を出た。


大雅の家は隣。


家から出て一歩踏み出した瞬間に、目的地は見えている。

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