この恋に砂糖は使用しておりません


「ここまで来れたのはあいつのおかげなんだ」


――違う、思ってたのと、違う。


その子は“彼女”で、あたしは“幼馴染”。


彼女の方が大切なんでしょ、彼女の方が好きなんでしょ。


あたしたちの関係なんか、約束されたものじゃないのに。


明日にだって、今日にだって、終わってしまうかもしれない。


“幼馴染”以上に大切な人ができれば、それまでの関係なのに。


どうして。


「そんなあいつを、ひとりにはできないんだよ」

< 28 / 130 >

この作品をシェア

pagetop