この恋に砂糖は使用しておりません


いつからそんなに、頼もしい大雅になったの?


知らないよ、そんなの。


あたしの知ってる大雅じゃないよ。


――カタン。


あたしのトートバッグの中に入っていた、お菓子の箱が。


小さな音を立てて、夏の空に落っこちた。


「愛海」


その声は、ちゃんとあたしの知っているあいつの声で。

< 29 / 130 >

この作品をシェア

pagetop