この恋に砂糖は使用しておりません


「…もうむりだよ、かえりたい」


そう。


この弱音を吐く男こそ、あたしの“イケメンだが調子に乗っている幼馴染”こと平松 大雅(ヒラマツ タイガ)である。


この頃の大雅には“調子に乗っている”要素はないのだけれど、後からちゃんと“それ”が明らかになるから、もう少し待っていて欲しい。


あたしと大雅は同い年で、実は生まれたときからずっと一緒。


母親同士がもともと大学の同級生というのもあり、更にたまたま同じ病院で同じ時期に生まれたから、あたしたちは必然的に一緒に成長してきた。


こんなにずっと一緒なのって、なかなかすごいでしょ。


小学生のときから高校に入るまでは、あたしの方が身長が高かった。


幼いころからスポーツをしたり体を動かしたりすることが大好きだったアウトドア派のあたしと、ゲームをしたり本を読んだりするのが大好きだったインドア派の大雅。

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