この恋に砂糖は使用しておりません




正直、大雅があたしをあんな風に思ってくれていることは知らなかった。


いや、気が付けなかっただけなのかもしれない。


それまではずっとあたしが大雅を守ることだけ考えていて、なんていうか、大雅の方が強い立場に出ることも、男らしい発言をすることでさえ、想像が出来なかったから。


大雅があたしをどう思っているかなんて、考える余地もなかった。


「ああ、あの日すぐ別れたよ」


「ねぇもうあんたホント何やってんの?!」


図書館で勉強会をしようと約束し、大雅の新たな一面を見てしまった“あの日”から1日。


あたしは大雅と下校しながら、あの日見た彼女のことについて聞いていた。

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