この恋に砂糖は使用しておりません
「まさか高校まで同じだとはね」
あたしたちは、中学校を卒業した。
「成績も住んでる場所もほぼ同じだし、俺はこうなると思ってたけどね」
進学先の高校も決まって、中学校も卒業して、一安心。
そのときのあたしたちは、春休みをほぼ毎日ぐうたらして過ごしていた。
受験勉強と義務教育から解放されたあたしたちは、限りなく自由だった。
春休み、と言っても外はそれなりに寒かったし、さすがのあたしも外で体を動かす気になれなくて、この頃はいちばんだらけていた時期だったと思う。
そんなこんなで、この日もあたしは大雅の家でテキトーにスマートフォンをいじっていた。