この恋に砂糖は使用しておりません


無防備で緊張感のない空気と、必要なことを話す以外は動きのない唇。


「あっやべ、ここのボス強いんだった。回復薬ないや。食料もパンだけ」


「パンか…パンといえば新作のコンビニのパン食べてみたいな、おなかすいた」


…うん、やっぱり少し特殊だよね。


あたしと大雅はそれぞれ全く別のことをしている。


会話だって上手く噛みあってない、噛みあわせようとしない。


2人で一緒にいなくたっていいこと、お互い1人でできることをしているのに。


それなのにあたしたちは、いつもこうやって同じ時間を過ごしていた。

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