この恋に砂糖は使用しておりません


「ああ、パンなら下で母さんが焼いてるよ、コンビニのパンではないけど」


あたしの言葉を聞いて、大雅はゲームを進めながらそう呟いた。


「本当?後でひとつ分けてもらおうっと」


「そのときは俺の分も持ってきて」


「はいはい」


何度か短い会話を繰り返して、あたしたちはまた重くない無言の時間を過ごす。


仰向けに横になったままスマートフォンを操作するのは段々と腕が疲れてくるもので、あたしは体制をうつ伏せへと変えた。


そして、スマートフォンに表示された画面のページを、また一枚捲った。


< 40 / 130 >

この作品をシェア

pagetop