この恋に砂糖は使用しておりません


大雅の溜息なんてどうってことなくて、あたしは目を輝かせたまま続ける。


「それには大雅の力も必要なのよ!モテモテの幼馴染がいるっていう高校生活!最高に素敵じゃん!大雅は少女マンガのヒーローになれるし、あたしは少女マンガのヒロインになれちゃうんだよ?」


そう、これがあたしの探していた“華のJK生活を送るための手段”だった。


大雅の学校嫌いが、年々薄れているのは確かだった。


あたしを家まで迎えにくるほどだもん。


更に大雅がイメチェンすることで、あたしにとっても大雅にとっても、お互いにもっと楽しい高校生活を送ることができるんじゃないかと思って。


「…愛海には悪いけど、俺別にヒーローとか興味ないから」


大雅の声のトーンは全く変わらなかった。

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