この恋に砂糖は使用しておりません


あたしは、ゲームをする大雅の背後にそっと近寄って。


まだ片付けられていなかった中学校の制服のネクタイに手を伸ばし、大雅の両手を背中の後ろで、きつーく縛って見せた。


あ、もちろんそういう趣味は全くございませんよ。


これはただ、大雅を押えるための手段で。


「いいからあたしに任せて、絶対にかっこよくしてあげる」


そう言ってあたしは近くにあったハサミを持ち、ニヤッと笑った。


「はぁ?!何やろうとしてんの?!ふっざけんな!これほどけ!」


このときの大雅の顔が、本気で焦っているのが分かったけど。

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