この恋に砂糖は使用しておりません
第3章 砂糖:80グラム
その姿を見たときは、正直ちょっとだけドキッとしてしまった。
「大雅…イケメンになった…!」
あたしはそっと、大雅の手を縛っていたネクタイをほどく。
そしていつものトートバッグに入れていた手鏡を取り出すと、それを大雅に向けて見せた。
大雅は「はぁ…」とため息をつきながら、鏡の中に映った自分の姿に目をやる。
そしてひとこと。
「…誰だよこれ…」
「大雅だよ!」