この恋に砂糖は使用しておりません
あたしは天才なのかと、このとき思ってしまった。
だってどこにでもいる普通の女子中学生(もうすぐ高校生)が、こんな風に髪を切って、セットして、平凡な幼馴染をイケメンにしてしまったんだよ?
まぁ、あたしの母親がカリスマ美容師だった、っていうのもあって、昔から髪の毛のことやヘアセットのことについては周りより詳しかっただけなんだけど。
それでも、大雅の変わりようは異常だった。
「いやいや…何してくれてんの…」
大雅は呆れ果てていて、もう怒りの言葉も出てこないみたい。
鏡に映った自分からすぐに目をそらすと、深いため息を何度も吐いた。
「なんでよ!すごくよくなったよ?」